冠水芋

冠水した芋は 本当は 売り物にはならずに廃棄されるべきものであった 弟と 買出してきた冠水芋をふかして食べてみた 餓えているので 何でも不味い物はないはずであったが 繰り返し食べていると なんとも不味いものであった もともと 戦時中のサツマイモは 茨城100号?とか言って むやみに大きくて 味を無視した量がたくさん取れる種類のものであった 今なら家畜の飼料であろう もともと不味いのに 冠水しているのでさらに輪をかけて不味いことになる サツマイモなのに ダイコンのようにガリガリな味である 母がふかした芋を 日光に当てて 乾燥芋にした いくらか食べやすいようである それから 芋をふかさないで 薄くきり 乾燥させる それを粉にして サツマイモ粉を作り 団子にして食べた これは少なからず味が改善されたような記憶がある
最近 ベニアズマというサツマイモを食べた 落語で栗より(9里4里)うまい13里という表現があるが それに匹敵するものであった やはり このようなうまいサツマイモを何時でも食べられる 平和ということは 大変ありがたいことなのだ