美食

少し前 テレビのあるトーク番組を見ていたら 若い女優が 人間は限りある命である だから食べられる回数は限りがある 限りのある中では できるだけ おいしいものを食べるようにと心がけている と言っていた 若いのに 年寄りのようなことを言うと思ったが この言葉に聞き覚えがあった 昔 眠狂四郎などの小説で シバレンの愛称で知られていた人気作家 柴田錬三郎がある対談でいっていた言葉と同じであった 彼は“一生のうち 食べる回数は限りがあるので 不味いものを食わされると実に腹が立つ”と述べていた 女優さんは 偶然に 同じことを言っていたのか シバレンの受け売りなのかよくわからないが これを聞くと 一応 なるほどと うなずける 
しかし 毎日 朝昼晩 美食をしていたら 飽きて美食は美食でなくなるし 一般的に美食はカロリーが高く 必ずしも健康的と言えない シバレンはそのせいでないかもしれないが 長生きとはいえない年でなくなった(享年61) 反対に 粗食の薦め という本があった 粗食は健康的な食事と言うのである ここで言う粗食とはローカロリー でしかも高栄養なものを言うらしい
粗食をして長生きをすれば 一生のうちの食事の回数も増えるはずである
そして たまに美食をすれば 本当にうまいと言うことがわかるだろうと思うし 長生きをすれば トータルでシバレンより美食をより多く食べられるかもしれない