フトルミン

白黒テレビの時代の話である 古い記憶ですこしあやふやなのだが クイズ番組のようなものがあり ゲストとして笠木シズ子が出ていた 笠置シズ子と言うとあの一世を風靡した東京ブギウギで有名な歌手である 見事に回答した笠置シズ子は 賞品を貰うことになる それが フトルミンと言う栄養剤であった 彼女は少し困ったような顔をして わてがフトルミンをのんでこれ以上太ったらどないするんや と言っていた この頃から 日本人が太りすぎを気にするようになっていたと思う

今はダイエットも広告はあるが太る栄養剤の広告はないと思う この頃の栄養剤と言えば エビオス ワカモト なども滋養栄養といって太りますなどとは言わなかったが強壮な体をつくることを目的としていたと思う 私は喘息で体が弱かったので理研ビタミンと言う栄養剤をのまされていた 中に肝油のような液体が入ったカプセルであった

フトルミンは今でもあるのだろうか 今こんなもんを出しても売れることはないと思ったからである 万能辞書でもあるスマホで調べてみた 大正末期から昭和50年半ばまで作られていた乳酸菌飲料であるという 大正末期と言うと私が生まれたころ そして昭和20年の敗戦を経て そして私が20代後半になるまで売られていたことになる 乳酸菌飲料と言うとカルピスとどこが違うのかなと思う とにかくフトルミンと言うネーミングで売れていたことは驚きである という事はそれまでの貧栄養で乏しい食料事情が変化していたのだ やがて飽食の時代が訪れて今度は ダイエットの栄養剤が売れるようになる アイマ―という痩せ薬があったことを覚えている その頃の体育科のS先生は美食家で大食漢であった 当然太ってきたが体育の先生が太っていては動きが悪くなり都合が悪い アイマ―を飲んでみたと言っていた どういうものですかと聞くと 海藻が主成分で腹の中で膨張するので食欲をセーブできる機能食品であると説明してくれた 今でも売っているのかと調べてみたが分からなかった