マスチゲン

あのころ 日本は連合軍に占領されて日比谷にあるGHQという本部でマッカーサーが政治の指揮を執っていた マッカーサー政治はうまくいっていたと思う 日本人が完全に敗北を認めて アメリカの指揮に協力したためだと思う その点日本人の変わり目は速く 「打てし 止まん」 とか 「進め一億火の玉だ」などと言っていたのがうそのようであった

それで私の感じているのはマッカーサーがあまりにも格好が良かったからだと思う

彼はパイプをくわえながら さりげなくタラップを降りてきた ウワーかっこいい まるでハリウッドの俳優のようじゃないか と鬼畜米英などと言っていたことは吹っ飛んでいた 日本の大将 元帥なら四角四面の態度をとるはずで これが今度はダサく思えたからだ

友人のKは分析して 天皇の崇拝がマッカーサーに代わったのだと思うと言っていた

しかし日本の食糧事情はなかなか回復しない そんなころを過ぎて もはや戦後ではないなどと言われる時代になった 白黒テレビが普及してきたのだ

日本人の栄養状態がまだ悪く 貧血を改善する栄養剤 マスチゲンなどがあったのを覚えている

落語家でマルチタレントの柳家金語楼が CMソングを歌い

「ち ち 血を増すマスチゲン」 が有名になった スマホで調べるとマスチゲンはまだ売っているらしい

ついでに貧血を直す栄養剤は戦前からあり ブルトーゼ などを覚えている 調べると大正5年から売り出されていて 宣伝文には 強い体の国民をつくり富国強兵という国是に沿ったものとなっていた