外国からの介護士

思えば 今まで数多くの病院や介護所を渡り歩いたことになる 数多くのお医者さんナース 介護士に世話になった 老健という介護所では介護士の中に 文さんという介護士がいた 最初にお会いした時に首からぶら下げているネームカードを見せてよろしくお願いいたしますと言う 時の韓国大統領文氏と同じ名前である ウワー 韓流映画の…………. と意味不明なことをいうと 可笑しかったのだろう なかなか笑いが止まらない それ以来 文さんとは仲良くなり 私がスウドクを考えていると 読売新聞のパズル欄にあるクロスワードパズルを持ってきてこれ良かったら解いてくださいという どれどれと縦横のヒントを頼りにカタカナを入れていく 彼女もそれを見ながら一緒の共同作業になった どうやら日本語の勉強も兼ねているようであった そういえばいくらか日本語のイントネーションが少しおかしい 在日の娘さんではなく韓国からの留学した人のようだ 何とか言葉を埋めることができたが 入らない所ができた ヒントは 長くて毒がある である すると文さんが蛇だと思うのですがという ヘビ とはうまくはいらない それでひらめいたのが マムシ これでバッチリであった

今お世話になっているデーケアでは 朝デーケアに到着するとその日の座る場所にネームプレートが置いてある ネームプレートに漢字の名前の他にローマ字が書き加えられていた 

背が高くスリムな娘さんがきてカタカナで書いた自分の名札を見せて自己紹介よろしくと言うわけである名前は忘れてしまったが どこからいらしたのですかと聞くとチベットですという あの有名なダライラマの国ですねと言うと びっくりしたように そうです こんなヨボヨボの爺さんがダライラマを知っていることに感激したように見えた

ダライラマ14世はノーベル平和賞を取った偉い人であるが 今は亡命の身である はやくチベットに戻れるといいですねと言うと そうですそうですとしきりにうなずく

お昼前の体操の時間に チベットからの介護士さんが紹介されて 皆さんのネームプレートにローマ字が加えられているのは外国からきた介護士さんが名前と読めるようにしたためですと説明があった