パクチー

近頃のはやりの外国の野菜といえば パクチーがあげられるであろう パクチーは特殊の味と匂いがあるので 大好きな人と大嫌いな人に分けられる好悪の激しい食品だそうである 私がパクチーを経験したのが トムヤムクンなどのタイ料理であった 日本にない味がした その店は渋谷の109にあったがもうずいぶん行っていないので今でもあるかどうかは知らない この店の料理は何を頼んでもこの特殊な味がするので共通の食材が使われているらしい それがパクチーであった 当時はコリアンダーと言われていたと思う 私と同じ様にエスニック料理を食べた人がコリアンダーの味を こりゃなんだ― といって不思議がっていた
私の場合最初はこの味を好きになれなかった 子供時代のトラウマを思い出したからだ 山形県でスッカンコと言って葉や茎が食べると酸っぱくて果実の代用になっていた 後から分かったのであるがスカンポのことである
子供たちは トッピンスッカンコ などと言いながらこれを見つけるとかじっていた ある日スッカンコをかじった時 猛烈に嫌な味がした 葉の裏がわついていた小さなカメムシをかじってしまったのだ カメムシは山形では へっぴりむし と言われていて臭気の強いガスをだす ゲーー と言って吐き出したが あれほど強烈で不快な経験はこの経験が一番であったと思う
コリアンダーの味がこのカメムシの味に少し似ているのであるが エスニックを食べるとこの味がするので 最初はなんで抵抗があるのか気が付かなかった
イカレーなどを食べているうちに少しずつこの味になれたらしい 大好きとはれないがパクチーをそれはど嫌いではなくなった