ナメコとジュンサイ


私の子供時代と比べると 鮭や秋刀魚などの大衆魚は値段あまり変わらない しかしひどく違ってしまったものがある きのこの類は概して高かった シイタケは高級品であったし 特にナメコは今から考えるとべらぼうに高かった これは山から取れる天然物しかなかったからだと思う 山形にいたときは近所の農家の人が山に入って採集したものを分けてもらった ナメコの味噌汁は本当においしかった
東京に来たときもこの味が忘れられず ナメコ汁を味わったが あまりに高価なのでめったに食べられない ナメコに良く似た味のジュンサイを瓶詰めで売っていた これで味噌汁を作り食べるとナメコと似た味がした ナメコと同じあのヌルヌルした食感が同じなのだ ジュンサイとて そんなに安きものでなく しかしナメコに比べればかなり安かったと思う
今ではナメコは安い食べ物の1つで1パックが100円以下で売っている 人工栽培ができるようになり キノコ工場で大量に生産できるようになったからだ
近所のスパーで ナメコとジュンサイを並べて売っていた 懐かしくなって 両方を買ってきた ジュンサイの方がナメコより2倍ほど高い 昔と価額の逆転である ジュンサイの方が採取に手間がかかっているからであろう
両方で味噌汁をつくって食べてみると やはり同じような味がした おいしかったが 昔ほど感激することは無かった 味覚が老化しているためか 周囲にその他のうまいものが たくさんあるので慣れてしまったためか