ウメちゃん先生

私はテレビドラマをあまり見てない ドラマの役者たちのセリフが役どころに応じて 大きくなったり小さくなったりする 耳の悪くなっている私には小さな声で話しているところが良く聞こえない それで主にニュースを見ている ニュースは抑揚の無い一定の音量で話してくれるからである しかし ウメちゃん先生 はその時代が私の時代とほぼ同じで見ていた その時代の風俗が大変懐かしかったのだ
特に懐かしかったのは いつも着物を着てエプロン姿のお母さんたちであった それに大家族が小さな家に住んでいて和気藹々と暮している そうだった 何をするにも周囲には家族の誰かがいた だから今のように プライバシイなどを云々している余裕が無かった 近頃は小学生でも個室を持つ時代だという 個室にこもっている間は誰とも会わないのだから 家族の交流の場がはなはだ少なくなってくる 
昔は3世代が同居しているのは当然でそれでいて あまり不満も無かった
現代では3世代はおろか 一人暮らしの老人が多いという 家族と別れて1人で暮らしていて誰にも知れずに亡くなる人が如何に多いことか
昔のよう戻れないのは分かるが 現代はあまりにもプレイバシーに重点を置きすぎてはいないだろうか ウメちゃん先生の家族のように 家長の父親が威厳を持って上座に座り 家族皆で食卓を囲んでご飯を食べていた時代が懐かしい