旅行の決断

私の海外旅行は いつも1人で参加していた 出発日 成田に行くと 添乗員と旅行仲間の人に はじめて会うのである よろしくお願いします と言って 数日間を共にする 今度の旅行は 正反対の状態であった 参加する人は 添乗員も含めて 知人たちであった もう少し詳しく述べると ほとんどが教え子たちである 
というのも このツアーが特別仕立てのものであるからである 私の勤めていた T女学院は はカナダの婦人宣教師によって創立された 創立者の教会とお墓を訪れることが含まれている
年寄りは年寄りらしく 突飛なことを避けて 過ごすのが 良いと言うのが 私が日ごろ 思っていることである この考えを 裏切るのが 私の好奇心だ
 学者によると 好奇心を保つことが 脳の若さを保つ秘訣である といっている そうかもしれないが 脳の無理な要求を受けて 肉体が悲鳴を上げている 
最も反対したのが家内である いい加減にしなさいと強硬である 多くの障害をのり越えて 今回が最後の海外旅行と言うことで 何とか参加に踏み切った 知人達との旅行は さぞかし楽しいだろうと思ったからである
旅行が決まったあと 事前の準備をした 少し散歩の距離をのばした 平衡感覚を強化しようと 片足立ちを時々する 前に転んで失敗をしているからである  怪我をしたり 病気になったりしたら 旅は台無しになるし なにより 皆に多大な迷惑をかける このことは なんとしても避けたかった