チップ(2)

今から10年以上も前オーストラリアを訪れた 近鉄ツーリストの世話での観光旅行であった 日本人の団体旅行と言うと 初めから終わりまで同じ団体の人と同じ添乗員と一緒に過ごすのが定番であったが これは近鉄がコースと宿とを決めてくれるが その他は現地でオプショナルツアーに参加するというものであった 日本人は多かったが その日によって違った人と付き合うことになる
旅も終わりに近いころ シドニー郊外のタロンガ動物園でオーストラリアにしかいないといわれているカモノハシなどを見学 ここからフェリーに乗ってシドニー湾を横切り シドニー市内のCircular Quayという港に入った フェリーの乗船券は後払いで 下船の時に買ってゲートを通る 券売機が並んでいたが もちろん英語である なんだか選択肢が多くてまごまごしていると ニコニコ顔の初老の係員が来て面倒を見てくれた 私はありがとうと言って切符を受け取り 改札を出たが 後からシマッタ面倒を見てくれた人に何某のチップを渡すのを忘れたのだ 矢張り日本にない習慣は身につかず つい忘れることになる
定番の海外旅行でも 団体で食事をするときは添乗員が一括してチップを置いてくれるので面倒でない しかし添乗員から 宿を発つときは 枕のそばに小銭を置いてくださいと言われていた 小銭と言ってもないときがある 小銭を用意するために あまりほしくない絵葉書やキャンディーなどを買ってお釣りを貰ってわざわざ用意しなければならに事がある
矢張り日本人にとってチップ制度はとても面倒なのだ
欧米人でも ある人は チップ制度は 昔の貴族がその従僕に与えた制度で 階級を作ってしまうのでやめたほうがいいという しかし歴史の長いものは そう簡単にやめられることはないのだろ