民謡酒場

年に1回 大学時代の友人が集まり 旧交を温めようという会を今年も持つことができた しかし皆寄る年波で 年々集まる人は少なくなっている 去年は4人 今年は3人であった 去年は隅田川の桜を見損なったので 今年はそれを見よることが主要目的であった しかしその日は雨になってきた  雨の桜は人が混んでいなくて いいのだが うらさびしい感じで 楽しめない 近所のバーに入り なつかしの味 電気ブランを賞味する 彼らには なつかしの味なのだが 私はアルコールを嗜まなかったので 懐かしいかどうかは わからない それに かなり強い酒である ほんの少しお付き合いに飲む
ここで昔話をした後 誰かの提案で 大黒やで てんぷら定食を食べることにする 大黒や のてんぷら は いわゆる 赤揚げで ごま油を使っているので 味が濃厚な方である 
年寄りにはあっさりした食べ物 若い人には濃厚なものというのは 俗説のような気がする 年寄りでも 濃厚なものはうまく感じる その証拠に3人の老人は ほぼ100%にちかくたいらげた
ついでながら 浅草には天ぷらや が多い 大黒や の他に 三定 葵丸新 江戸っ子 尾張や(蕎麦屋でもある) 中清 などなど それぞれ店の目玉ともいうべきものをもっている それに 新仲見世の路地の一角に 天丼のうまい店 という小さな店がある どんぶりからはみ出している大きな海老が売り物である
大黒やでも 昔話をして 時間的に少し早いかもしれないといいながらも K氏の案内で 予約してある 民謡酒場に行く