琵琶の会

神津カンナさんの書いた台本で琵琶の会があるというので YT MA MH の先生方と聴きに行きました 演目のうち ”猿の手“というのは 昔 外国怪奇小説集というのにでていたので読んだことがありました 
はじめに 音楽家 神津善行氏の解説があり 氏は邦楽の大フアンで 邦楽の火を消してはならないと 活動をなさっているとのこと これは意外でした 氏に対しては きわめてモダンな趣味の人と思っていました 年齢を感じた氏は娘のカンナさんに 氏の意思の後継者になってもらいたいと説得したそうです 
カンナさん自身の解説もあり 昔 シェークスピア劇を演じたときは 背景 大道具 小道具などはなく 演技の中でこれらの描写をしていた つまり 昔は 芝居を見に行くと言うよりは 聞きに行くと言う言い方が正しかった その形態を 語りもの の 琵琶 新内などで具現したい
なるほどわかりました しかし 外国の作品である小説を 邦楽にアレンじさせるには並大抵でない 努力があったお思いました
琵琶に関しては過去にあまり聞いた経験がなかったのですが 新内に関しては 子供のころ 明け烏(明け烏夢の泡雪)のレコードが家にありました シーシーという雑音が多いレコードでしたが 父が好きで買ってきたものだと思います もう1つ“蘭蝶”と言う有名な新内の曲があり はらわたに食い入るような 泣き節で 情緒纏綿として 新内は あらゆる浄瑠璃のうちでもっとも共感的なものとおもいます だから心中物や悲恋物が多いとされています 人間国宝 新内中三郎 のきれいな澄んだ高音は すごく心を打ちました
もちろん琵琶もよかったです 
最後に お話のプロにこんなことを申し上げては 失礼になるかも知れませんが 善行氏 カンナさん 中村メイコさん のいずれも 歯切れ が大変よく 耳の悪い私にも聞きやすくさすがと思いました