フレイル

コロナ以来やたらと外国語が増えたと感じている パンデミック オーバーシュート ソシアルディスタンス 等々 

日本の実情である高齢化した社会にもフレイル サルコペニアなど今まで聞きなれない言葉が飛び交うようになった

そもそもフレイルとは何だろう 日本語で虚弱を意味するらしい いつからフレイルになったのだろう 84歳の時は赤毛のアンの舞台となったカナダのプリンスエドワード島に最高齢者として参加しているのでフレイルではなかったとおもう 思い当たるのはなんとなく歩くときに転倒しそうになり 不安を感じて杖を使いだしたときのことである 杖はトレッキング用の2本杖で これだと4本足で歩く4足獣のようで安定感があった だが すこし不便のこともあった 両手がふさがるのでコンビニで買い物をしたとき買い物袋を持てないので そんな時は杖を一本にした

サルコペニアとは何のことだろう 調べると 高齢のために筋力筋肉量が減少して衰える事らしい 足の筋肉量が減り歩いていて転びやすくなる 何回か転んだが大事に至らなかった だが 決定的なことが起こった 自宅にある3段の階段を上っていた時  登り切れず 後ろにひっくり返った 股関節の骨折が起こり急遽病院に行くことになってしまった これを契機に生活ががらりと変わり 介護を受けながらの生活が続いていまに至る 言わば フレイルとサルコペニアの真っ最中ということになる

サルコペニアを実感したのは 飲み物の栓を開けるのに苦労をすることである 飲み物なら何とかなるが ジャムの瓶のふたを開ける時は困った 昔から使っていた方法は瓶を逆さにして蓋だけ熱湯につける 蓋が熱膨張したところで回してみる 何とかうまくいった

フレイル サルコペニアの次は何がやってくるのだろう 寝たっきり? これは極めて退屈そうだ 今のフレイル状態をできるだけ保つように努力しようと思っている

 

中国とロシア

ロシアは世界一の広さを持つ大国である 昔の流行歌に さすらいの唄というのがあり ♪ロシアは北国 果てしない 西は夕暮れ 東は夜明け♪ というのがあった それくらいの広さを持つ国なのだ だが不思議なことがある 経済大国ではないという事である

ロシアは中国と同じ様に元共産主義の国であった 中国は発展を遂げて世界第二の経済大国になった 2030年にはアメリカを抜いて世界一になろうかという勢いである

中國成功に原因は共産主義の政治体制をとりながら 経済的には資本主義体制である これは 毛沢東時代は原理主義的な共産主義体制をとり 文化大革命などで大失敗 毛沢東が亡くなると これを引き継いだ鄧小平は 白いネコでも黒いネコでもネズミを取る猫はいい猫だ と言いながら 経済発展のためならばと 手段を択ばずに資本主義を導入した

ロシアも原理的な共産主義が失敗に及んだ時 ゴルバチョフ のペレストロイカによって民主主義に移行が行われたが 中国の様に成功しなかった なぜなのだろう ロシアは天然資源が多い国で 石油天然ガスを輸出すれば外貨が得られた これは国民があまり努力や工夫をしないでも生活できるので天然資源に頼る国になってしまった

原理的共産主義の時代は中国に比べるとロシアの方が長い 共産主義に慣れていた国民はなかなか民主主義への移行になじまず 旧共産主義の体制が残ってしまった つまり中途半端な民主主義になってしまった ロシアには鄧小平のような人がいなかったので経済の資本主義化が遅れた これが中国との大きな差となったのではないかと思われる

もちろん ロシアの人口は1億5千万人 日本より少し多い程度である それに比べると中国は14億人 この差も大きな原因と言えるのであるが

困ったことには この世界的な疫病パンダミックで独り勝ちをしている中国の体制がすぐれた方法であるかのように見えることである これを真似する国も増えるかもしれない これは民主主義陣営の危機でもある

 

知の巨人

立花隆しがなくなった 80さいであった

私は立花氏を実際に見たことがある 渋谷から新橋駅行きのバスに乗って医院に行く途中 虎ノ門のバス停のそばを彼が歩いていた

もじゃもじゃした髪 少し太た体形間違いはない テレビを見る彼とほとんど変わりはない

立花氏は 私は勉強が好きで3万冊の本を読み100冊の本を出版しましたというように旺盛な知識欲には驚嘆するほかない

彼を有名にしたのは何といっても田中角栄研究であろう 徹底的に調べ上げてやがて田中内閣の退陣に追い込むことになる

分子生物学者の利根進さんがノーベル賞を取った時立花氏がインタビューをしていた 驚いたのは立花氏が利根川論文を読み解いて理解していたことである

物理学では 小林 益川理論で両氏がノーベル物理学賞を取った時の あの難解な理論を勉強して読み解きインタビューをしていたことである 後からこの時の談話が単行本になって出たので私も物理屋の端くれ 買って読んでみたがいまいちわからない所があり 物理学者でもない立花氏がにわか勉強で本まで出す探求心には 世の中にはすごい能力の人がいるものだと唯々驚愕したものであった

しかし この立花氏の勉強で これはどうしてなのかと思う研究がある 臨死体験の研究である 簡単に言うと心肺停止に陥った人が 又 生き返ることがある その時経験した世界を覚えていて きれいな花園に囲まれた世界とか 一条の光が穴のようなところからさしている世界を経験したなどと言う 言わば 現世とあの世とがあって これらの体験者は あの世 を垣間見たことになる あの世の存在の証明という事にもなる

この臨死体験は酸素不足に陥った脳がもたらす幻想であるという科学的な説明もある

さて これからは私見で勝手な想像であるがお許し願いたい 立花氏がこれらの疑似科学のような学問に取りつかれたのは 氏が現世だけでなくあの世があればという希望があったからだと考える 3万冊の知識で武装した氏の脳のネットワークは氏の死によって解体されて0になる

(a) x(0)= 0 という式はaがどんなに大きな数でも成り立つ 0をかけるとという事が死であると私は思う 

aが小さい人でも立花氏の様に極めて大きな人も死んでしまえば皆同じで 神様は平等である 立花氏は営々として築き上げた脳のネットワークをあの世にも引き継ぎたいと考えていたのかもしれないが氏は滅びても 残された氏の書いた100冊の本は誰かによってその考えが引き継がれることと思う

蹴るペットボトル

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このリハビリゲームは何に似ているかというと ラグビーのコンバージョンキックだと思う ラグビーでトライすると5点がはいる そのご コンバージョンキックの権利が与えられてボールをルールで定められている点からキックして2本ならんだポールの間を抜けるとあと2点が入る 五郎丸選手はこの難しいキックを独特のスタイルで見事に成功させていた

リハビリゲームの装置は椅子を逆さにしてその2本の足にさらに紙の円筒を継ぎ足したものをポールに見立てて ボールに見立てたペットボトルを蹴るというもの ポールを通過したかどうかを見るためにペットボトルの細い紐が取り付けてある

始めてみるとかなり難しいゲームで0点の人が多い ポールの横棒の下を通過すると100点上を通過すると500点であった 早い段階で500点を出す人が一人いたが それからはなかなか点が入らず100点の人が2,3人であった

見ていると 蹴るときに水平に蹴っている人が多いのが分かった これではペットボトルは低く飛んで横棒の下を通過してしまう それでも高得点である 蹴り方がペットボトルの側面を蹴ってしまい方向がずれてしまう人が多いからだ 

私の番が来た 要するに蹴るだけでなく蹴り上げればよいと言事を自分に言い聞かせた 1,2回は高く上がったが方向がずれていた 3回目だったと思う上手くポールの間を抜けることができた 久しぶりの成功に拍手が起こった これで十分である そして最後の一蹴りで同じようにポールを通過した 糸もポールの横棒に貼りついている 糸をたどり通過した軌跡を追求した結果 ポールの中の横棒でなく横棒の出っ張りを通過したころがわかった 本来ならばノーカウントになるはずだが 審査員のヘルパーさんはあまりにも皆の点が低かったので ここらで景気を付けたいと思ったのか横棒を通過したのでOKとしましょうと加点してくれた500点と500点で合計1000点で断トツの一番に躍り出た これは小学校中学校を通じて運動で一番になったことがなかったので95歳でやっと一番になったことになる 嬉しいというより なんだか不思議である

 

 

先輩先生の一言

私自身が高齢者なのでその先輩と言うともう存命されていないのであるが

私の知っている もっとも長生きした先生はピアノ科のK先生 100歳を超えて103だったと記憶している 音楽のT先生が97歳であった お二人の共通点はピアノという事になるでしょうか ピアノは複雑に手をつかうので 健康とくに脳の働きに良いと言われているのは事実なのかもしれない そのK先生が同窓会のスピーチで 私の健康法は簡単です 入念に時間をかけて歯磨きをすることです この言葉はどういうわけか頭に残っていて参考になった なるほど歯磨きをほぼ完全にすれば歯周病をふせげる 歯周病菌は口だけの問題ではなく 全身をまわって悪さをするらしい それに歯周病で失われる歯が少ないので じぶんの歯で咀嚼でき 食べたものの栄養価も高くなる 私もすこし真似してみたので自分の歯がかなりのこっている

でも 歯周病については逆のことも考えられるのではないか? 歯周病がひどくて全体の歯を失った人である つまり総入れ歯の人である これらの人は歯がないので歯周もない つまり歯周病にならないわけである 歯周病菌が全身をめぐって悪さをすることもない 総入れ歯というのは物を食べる時不便なここもあると思うが悪いことばかりではないとおもう

昔の先生で この先生を覚えている生徒さんは はかなり年配になると思うが 家庭科の先生でK先生がいた K先生は厳しい先生で ついたあだ名がミンチン女史 私は読んでいないのであるが「小公女」という有名な小説に出てくる厳しい先生の名である

このK先生は年配になるまで独身であったが お姉さんがアメリカにわたっていて牧師をされているF先生の奥さんであった そのお姉さんが亡くなられたので姉に変わって妹のK先生が後添えとしてアメリカに行くことになったのだ

F夫人となられてから時々日本にこられて同窓会にも出席されていた

先生のスピーチの一部をおぼえている みなさん これまでいろいろと好きなものを召し上がられていたでしょうが 人生の半ばを過ぎたこれからは 美味しいものを食べるということより 身体によい栄養ということを考えた食事にしてください なるほど家庭科の先生らしいご意見である

しかし 先生は驚くほど長生きしたかというとそれほどでもなく 食事の注意だけでは敵わないほど牧師夫人としての忙しい仕事があったのかもしれない

 

 

街の名探偵

一時より少なくなったとはいえ ミステリーは相変わらず テレビドラマの主流と言える そこで ドラマでなく実際の犯罪の名探偵は誰かと考えてみると それはある人物ではなく 街の方々に仕掛けられた 監視カメラや防犯カメラであると思う 

窃盗犯が行動の一部始終を防犯カメラに写っている報道を見て もう逃れることができないと考えて警察に出頭したという犯人の数がかなり多い 賽銭泥棒の一部始終をカメラがとらえていた ある資産家の家の周りを何回となく行ったり来たりして点検している窃盗団らしいグループ なぜ? 何回となくこれらの怪しい行動がなされるかというとこの家には莫大な現金が置いてあるというガセネタがあったからだという これらの報道は残念ながら顔をぼかしたり赤丸で隠したりしている

おりしも 「ああそうだったのか」という池上彰氏の番組は中国特集であった 中国がほんの短い間に世界第二の経済大国に

なぜなれたのかという解説であった その中に中国では犯罪が急激に少なくなっている という話が出てきた なぜだと思います? 中国は一党独裁を保つために反乱分子を監視するために膨大な数の監視カメラ網を張り巡らせた このために もし犯罪を起こしたら監視カメラ記録されてすぐ捕まってしまう 中国の犯罪に対しての罪は日本などに比べればかなり重く 必ず捕まってしまうような犯罪をする者は極めて少なくなってしまったという 強権政治が思わぬ良い結果を招いたのだ と池上氏は解説していた 日本では収穫前のトウモロコシが何千本も盗まれた 山形ではサクランボウが出荷前に盗まれ 長野では大量のリンゴが無住まれた これらの作物盗難は心が痛む 手塩にかけ営々として育ててさて売り出しに出そうかというとき何もしていない他人が盗んでゆく 果物農家としてはどうにも許せない犯罪だろうと思う もし中国の様に監視カメラ網があれば犯行現場が再現されて犯人を洗い出すことは容易であろう

監視カメラの効果はそれより犯罪抑止力になっていることである あの家の近の付近は監視カメラがあるからやばいと犯人が恐れて犯行を控えることである 監視カメラを増やすことについて よく言われるのは個人のプライバシーが侵されてしまうというおそれである これは前にも書いたことがあるが 普通に暮らしていれば 個人の行動が知れても差し支えはないのではないかと思う 監視カメラに写った普通の画像が公表されることもない 中国の強権政治はどうかと思うが その結果を見れば 日本ももう少し24間働いても何一つ不平を言はない街の名探偵を増やしてみたらどうかと思う

ワクチン接種

高齢者であるから 医療従事者の次に接種の順番が来るという事でこれに関する郵便物を受け取った まず 予約してくださいとある 電話は耳が悪くて応答ができないのでインターネトで思っていたところに H氏からのメールで なかなか複雑ですがと予約の仕方など教えていただいていた そんな折 ケアマネージャーのMさんが現れて予約のお手伝いをして下さることになった Mさんは電話をかけてみたがつながらず 持ってきたタブレット端末で予約を取ってくださった そしてこの日はヘルパーさんが付き添っていただけることになった 大変ありがたいことだとお任せすることにした

実は入院していた日と予約していた日が重ならないかと危惧していたが退院後しばらくしてから接種の日になり うまく間に合ったのだ

当日に ヘルパーのSさんが来てくれて 必要書類を点検 鞄に入れて表通りでタクシーを拾う なかなか空車が来なかったが何とか捕まえることができた 接種会場の北沢タウンホールには間もなくつくことができた 一階の待合室は満員であった 空いた椅子はなく 杖のままたたずんでいると 間もなく7階に移動してくださいという指令で エレベーターで7階に エレベーターは一度で皆を移動できないので何回か往復する これは人員整理の緩衝の役目になっている 今度は番号の付いた椅子に案内された 番号の若い方から呼ばれる やっと番が来て まず本人の確認である 私は後期高齢者保険証を出すと びっしりと書かれた表の中から名前を探してチェックを入れる アナログ的だなと思う それが終わると予診票のチェックと接種券のチェックのところの行く つまり 一人の職員が全てをチェックするのではなく一つ一つ別の人がやる これは最も誤りのない方法だと思う それが終わるとお医者さんの問診がある 予診票に今回の接種ができるかどうかを決めるためだ 今使っている薬のことを聞かれた 毎日4種類の薬を用いているので薬の名を何とか言うと その中でホクナリンの張り薬が問題らしく 何の為に使っているのかと聞いてきた 喘息があり そのためです しかしこの十数年発作は出ていませんと言うとOKとなった 接種所は2階ですと言うのでエレベーターで2階に そこで半袖のシャツをまくり上げて注射をしてもらった ほとんどインフルエンザの注射と同じである 注射の後すぐ帰れるのではなく 副作用で気分が悪くなる人もいるのでしばらく様子をみぬ時間待つことになる

しばらくして何の変化もなく帰ることになった 帰りのタクシーはすぐに見つかった

感想として 日本の接種は丁寧過ぎていい加減なことがないことが分かった 用意周到のため進行が遅いのではとも思った

日本人の特徴として几帳面で だから昔 植木等が無責任男を演じてヒット作品になったのも珍しい事だったためであろう 

誤りのないように完璧なコースを考えていたと思ったら テレビで一日に2回接種した人がでたという これはこの人が副作用の待合室を間違えて 接種室にまた入ってしまったというのである 誘導の仕方が悪かったこともあるが 本人が2回も注射を受けるとき変に思わなかったのだろうか おそらく前にやったことをすぐ忘れてしまう病にかかっていたのであろうと想像した