ゴム紐3

ゴム紐の話が長くなりましたが もうすこしお付き合い願います

ゴム紐を唇に当てる実験を書いたところ H氏からのコメントで 伸ばしたゴムを熱すると短くなるとのご指示がありました これは私も ブルーバック文庫の科学シリーズで見たことがあるという記憶あります 記憶を頼りに描いたのが下図です

f:id:kutuzawa:20201117193453j:plain

 

簡単な実験なのでできそうですが 現職でない悲しさ支持スタンドなど簡単な実験器具がなく こんな実験でも装置をつくるのが面倒なのです

それでもっと簡単にと フライパンに輪ゴムを入れて熱してみました 輪ゴムが縮小するのではないかと思ったのです しかしこれは大失敗 輪ゴムは小さくならず熱し方が不十分とさらに熱しているうち あのゴムの焼けるときの嫌な臭いがしてきました 急いで中止 ゴムは小さくならず 触るとべとつくようになっていました

なぜ失敗したのでしょう 輪ゴムはそのまま常温では分子がグチャグチャと疑似水の状態と前に書きました 水を熱してもお湯になるだけで体積はそれほど変わりません これと同じ実験をしてしまったのでした 物理の先生としては恥ずかしいですね

では図のようにおもりをつるしたゴムでは なぜ成功するかというと おもりで引っ張られたゴムは前にも書きましたが疑似氷の状態です これを熱すると分子が活発に動き疑似水の状態になるのです (熱することにより真っ直ぐだったゴムの分子が運動を起こしてグチャグチャとこんがらがった状体になることから短くなることからも想像できますね)

つまり 輪ゴムをフライパンで熱する実験は水からお湯をつくった実験で 状態の変化はありません 水もお湯も液体で状体変化が起こっていません

おもりで引っ張られている状態の変化があるからなのです 状体の変化は普通の変化と本質的に違うのです