使用済み核燃料

核燃料の取り扱いの難しさを いまさらながら知らされた 反応炉内の核燃料だけでなく 使用済みの核燃料まで危険な状態を起こすとは
核分裂を起こすのは中性子がU(ウラン)の核に衝突して分裂するのであるが そのときに新しい中性子を出す その中性子がまた近くのUにあたり また分裂して破片と中性子が出て その中性子がまた次のUと連鎖反応が起こる しかしこの連鎖反応が起こるのは中性子の数が沢山なければならない 逆に反応を止めるのは中性子を少なくすればいい 制御棒というのは中性子を吸収して少なくするためのものである 
制御棒の挿入で連鎖反応が止まっても 炉心の核燃料にはまだかなりの中性子が残っているので部分的な核分裂を起こしている ただ これが連鎖的でないだけである 部分的な核分裂といえども かなりの熱が出るので冷やさなければならない *
使用済みの核燃料が活動期の3%ほどの熱をだしているのはこのためで 起用済みの核燃料は水のプールの中にいれて水を循環させて冷やしている(充分に冷えるるまで3,4年かかるそうである) この循環装置が壊れた 特に3号炉の場合プールの水の温度は徐々に上がり水が蒸発して無くなり 燃料棒の温度が上り 外被が熔けて内容の核燃料の一部が蒸気とともに飛散し始めた
東電 自衛隊 消防 警察 米軍など総力を挙げての放水で何とかしてプールに水を入れて 温度を下げることに懸命な努力を続けているが これまでに放射能が少なくなっているものの ごくわずかで 劇的に少なくなっていない 
フランスが沢山の硼酸を送ると言う 硼酸のホウ素(B)は中性子を吸収する性質があるからで 硼酸水にして散水すればより効果的に核反応を終息に向かわせるからである
*それから崩壊熱と言って核分裂したかけらの物質がさらに細かな安定した物に変わるときに熱をだすのが主原因だと言うことが分かりました