エントロピー(1)

最近 絵画教室に通っていられる方から 絵画の講師がエントロピーと言う語を使うのですが エントロピーとはどんなことですか と聞かれた
さー困ったぞ エントロピーとは 物理の熱力学に出てくる概念で 分かりにくいものの1つだろう その定義は数式を使うのだが 簡単に言ってしまえば 事象の 乱雑度 を示す指標である
例えば アズキとダイズがそれぞれのかごに入れられている その状態は整然と分けられているので 乱雑度は低く エントロピーは小さい状態である ところが これをまぜてしまうと乱雑になってしまうので エントロピーは大きくなる
これを元のエントロピーの低い状態に戻すには 大変な努力を要する 一般にエントロピーの小さい状態から 大きな状態するのは簡単だが その逆は大変な仕事が必要となる ものによっては不可能である
インクを 水を入れたコップにたらすと インクは水の中に広がってゆく つまり 大自然エントロピーの小さい状態 《インクと水が分けられていた状態》から エントロピーの大きな状態《インクと水が混ざってしまう状態》に移ってゆく このような現象を エントロピー増大の法則と言っている
元来エントロピーは分子や原子など無数に存在する粒子についての理論なのだが 物が少なくても成立することを経験することがある 例えば部屋を何日も特別な配慮をしないでおくと どんどん乱雑になる だから元の整頓された状態に戻すには絶えず気をつけて散らかったものを元に戻すという仕事をしなければならい 整頓するということは増大してゆくエントロピーを 仕事をして小さくすることなのだ