人間世3

恐るべき急ピッチで地球の地理的状態を変えようとしている人間は繁栄して増える一方であろうか ある研究機関によると世界人口は今世紀末までほぼ110億に達してピークを迎え それ以降は減少に転じつという どうしてそのような予想ができたのかわからないが 論文を読んでいないからである 想像すると いま日本など発展した国の人口は減りつつある 発展途上国の人口が増える傾向がある 発展途上国というのだからやがて発展することだろう そうすると人口減少が起こるという意味かもしれない それまでにどのように地球環境が変わるかわからないが 経済用語で例えるといわゆる高値安定の時代になることなのかもしれない

しかし未来の予言は難しい 昔の未来学の本で原子力という夢のエネルギーを得た人類はこの強大で安価なエネルギーで工事代が節約できるので夢のような施設にどんどんできて豪華な暮らしができるなどと書かれていた がそうはならなかったからだ

昔読んだSF小説ソイレントグリーンがある ソイレントグリーンは映画にもなったのであるが映画は見ていないSFの怪談話である ストーリーは忘れてしまったが 未来の極限まで増えた人類はソイレントグリーンという食べ物を食べている ソイレントグリーンとはソイレント社が海のプランクトンなどの微生物から作っていると言われている  そのソイレントグリーンの正体が恐ろしいのである ある超長く生きた老人のところにソイレント社から招待が来て これからは夢の国でのお過ごしをおすすめしますという 夢の国は桃源郷や エルドラド 極楽のようなところらしい 老人が喜んで参加すると安楽死が待っていて ソイレント社はその遺骸を材料にしてソイレントグリーンをつくっていたのである あまりにも おぞましい話なので不快を感じると思いますが お許しを願いたい

この話の本筋はこのようであるが 念のために調べると SF小説なのでソイレント社は秘密を守るため 殺人事件などを織り込んである 小説は2022年にこのようなことが起こるものとして描かれているがもうあと2年でその年を迎える 幸いこのようなことは起こらないだろう

この物語は人類が果てしなく増えることを前提にしているがそのようなことがないこともわかってきたからである

しかし秦の始皇帝も考え人類の夢だった不老不死が実現できるようになったらどうであろう つまり人口の増加傾向が続くことになる

ソイレントグリーンは作らないとしても火星への移転が実現しているかもしれない