冥王星


老人は過去の思い出の世界に生きているといわれている 確かに 前日 前々日のことは忘れることが多くなったが 幼年時代 少年時代のことは忘れてもいいはずなのに 反対によく覚えていることがある 前にアメリカの探査機 ニューホライズンズ が冥王星の写真を送ってきた 私が冥王星の名を知ったのは 幼年クラブ の挿絵からである 昭和7,8年?のころ 山中峰太郎のSF小説 見えない飛行機 世界無敵弾 などが載っていた いずれも日本軍に最新秘密兵器で 世界無敵弾は宇宙からの特殊金属でできていて 敵の標的に吸い付けられるように確実に向かいこれを爆破するというものだった?と思う《今でいうと100発100中のミサイルである》 幼年クラブには 水金地火木土天海冥の太陽系の絵があり太陽系の果ての冥王星はどのようなものであろうと思いを馳せた
そのころは 速く走るものは汽車 飛行機などであった 一番近い月に行くにしても汽車なら何十年何百年かかるなどと知らされて 太陽系の果ての冥王星のことなど知るには夢のまた夢であった
それがなんと 写真ではあるが 冥王星の姿を見ることができたのだ そのた冥王星だけでなく冥王星を回る衛星カロンも観測できた カロンだけでなく複数の小さな衛星を持っていることも
冥王星準惑星に格下げされたが それでもその解明は大変な快挙であることに変わりはない こんな素晴らしいことを知ることができたのは私が長生きしていたためである 改めて健気に働いている私の心臓に感謝しよう