自分の死

馬鹿の壁 の著者 養老孟司が テレビに出ていた 老人の壁?と言うような題で話をしていた 私自身が老人であるので興味を持って聞いていたが その中で 対談者が死についてどんな考えや覚悟がありますかと聞いていた 氏は 私は死を恐れていません なぜなら 自分自身の死は存在しないからです 存在しないものを恐れても仕方がないでしょう との答え 私は言っていることがよくわからなかったが どうも こういうことらしい 
自分が今死に直面しているとする でも 俺は死んだ ということが認識できないのである もし俺が死んだと認識できたなら まだ生きているから 認識できるのであって死んでいない 本当に死んでいたら それを認識できる自分がいなのである 世の中には自分の死を認識できた人は一人とていないはずである 絶対に認識できないものは存在しないのと同じである つまり自分の死は不可知論である
なんだかパラドックスというか禅問答のような気がしたが 私なりに納得できたと思っている 他人の死は認識できるだろう 死んでゆくものと 認識するものが違うからである が 自分の死は 死んでゆくものと それを認識するものとが同じであるから 死んだとわからない
それを聞いて 迫りくる死の恐れが軽減したかといえば そうとは言えないのもの事実であ