万年筆

使わなくなった文房具をしまってある箱をしばらくぶりにあけると 珍しいものが出てきて懐かしい ちょっとしたタイムカプセルだなと思う 中でも 万年筆はボールペンの時代になってから あまり使わなくなった その中で一番古いものは インキをスポイトで万年筆の胴体に入れて使うものである
昨年のテレビで 男装の麗人 川島芳子 と言うのが放映された そのとき話の進め役になっている作家の役を 中村雅俊がやっていた その作家が このスポイト式の万年筆を使っていた インキストッパーの軸を動かしてインキの出を調節していた 懐かしい光景なので覚えていたのである このスポイト式の万年筆は私も持っていた 箱の中をいろいろと探すが見あたらない 残念 エボナイトと言う黒い物質でできていて かすかにゴムのようなにおいがしていたと思う
構造は多分このようであったろうと絵を描いてみた 下手な絵ですが これでも かなり苦心した
なぜストッパーが必要かというと インキが出すぎたり 万年筆の軸が温まると中の空気が膨張してインキを押し出していまい 胸などに差しておくと 洋服が汚れてしまうからである でも この類の万年筆はインキの出が余りよくないので 万年筆を振っている人をよく見かけた


インキストッパーの丸い部分が 頭部の凹んだところにぴたりと入りインキ止めになる