固定炭素

かなり前にテレビで 備長炭をつくるドキュメントを見たことがある 木材を蒸し焼きにして 焼窯から出すと 高温で赤々とした木材が現れる その形は元の木材と同じで 外に出すと冷えて黒々とした木炭になる 外観は木材がそのまま黒くなったみたいに全形が保たれている という事は木材の大部分が炭素でできていることを示している

樹木と言うのは多量の炭素を取り入れて樹木中にとらえて空気中には出さない つまり炭素のタンクのようなものだ この炭素は空気中にCO2となって飛び回り温暖化を引き起こす炭素とは違うのである このような炭素を固定炭素という事にする 

石炭はご存知の様に昔の大木が地中に埋まり炭素だけが残った固定炭素である 固定炭素で他にも大規模なものは 炭酸カルシウム(CaCO3)となり固定されているサンゴや貝などである つまり 樹木やサンゴなどが増えると炭素を固定することになるわけですサンゴや貝は海水に溶けている二酸化炭素を原料としているので サンゴが増えると海水中の二酸化炭素がそれだけ減るので その分を空気から新しく二酸化炭素を取り入れることになるので 空気中の二酸化炭素を減らす効果があると考えられる しかし二酸化炭素を溶かす水の能力は海水の温度が上がると小さくなる 

このように地中の温暖化は 陸では山火事の数や規模の大きさにより 固定炭素を開放して大気中に出してしまい 海ではサンゴなどの死滅を招く 例えばオーストラリアにあるグレートバリアリーフというサンゴの群落は世界一だといわれているが 最近サンゴの白化と言う現象が起こり死滅しているという これは海水温が上昇するとサンゴと共生している生物が逃げ出すため白いサンゴになってしまう現象であるが 固定炭素の生産活動の妨げになったしまう

人間がSDG(持続可能な開発)など努力しても もう温暖化は始まっていて もし人間が何もしなくても 自然現象だけで二酸化炭素がだんだん増大に向っている だから提唱されているSDGは大変な厳しい事業であることがわかる

だからSDGsというのは 単にCO2を出さないようにするより さらに積極的に減らす技術が必要になると思うのだが