鼻からのチューブ

よくその構造が分からないのであるが 鼻から差し入れたものは 管と内視鏡と合体したもので 内視鏡が内にあり外が管となっているものだと思う 先生は患部を見つけたのだろう 盛んに内視鏡を動かしている そして最後は内視鏡だけを抜き出した つまり 管は私の体内に残されたままである 鼻から外に出た管の先にはプラスチックの袋が取り付けられ これで押し寄せる余分な腸液を外に導く事により腹痛が避けられるらしい

管は鼻のところでテープで止めてある ハナハダ違和感があり不快なのだが仕方がない こんな状態ではもちろん食事はむりで 可なり長い点滴生活がまた継続される 食欲がないので適当なのかもしれない

管を通して長い間保つのは ねじれた腸を真っ直ぐな状態にして慣れさせて 元の腸の形態に戻す目的もあったと思う 

このようにして朝から晩まで一日中点滴を眺めて暮らす生活が続いた 時には大きな点滴と小さな点滴の2本が合体することがあった 川の本流と支流である

【点滴は ひねもす ぽたり ぽたり かな】

もちろん これは 与謝蕪村の有名な句

春の海 ひねもす のたりのたりかな の もじりです