新巻鮭


今年も12月年の暮れである 昔は新年を迎えるのに準備をしたものであった 近頃は準備しなくてもコンビニが一年中営業しているので特別なことをしなくてもよくなった 新巻鮭なども正月用の保存食として買っておいたものであった
テレビをぼんやり見ていたら なぜ塩鮭が腐らないかを解説していた 塩自体に殺菌力がある でも海水の中で魚が生きているので 塩がいきものに有毒とは思えない ところが死海と言う湖は海水の何倍もの塩分を含んでいて 生き物が生きることができないといわれている これは非常に濃い塩水の中に魚を入れておくと魚の体の水分が濃い塩水の方に移動してしまい 液体の中にいるのに干からびた状態になる これでは生きられない
新巻鮭を作るには鮭の腹に塩を大量にいれる すると鮭の身の水分が塩のほうに移動して 身から水分が少なくなった鮭ができる 1度 塩を洗ってから これを天日干しにする《写真)するとさらに水分が抜けて 新巻鮭の出来上がりとなる
食べ物が腐るのは細菌のせいで 細菌は水分がないと生きられないし繁殖もできない 干物も同じ原理で水分が少なくなっていて細菌の発生を防いでいる 
ジャムやシロップ漬けのように砂糖も同じ効果がある これは濃い砂糖水の中の細菌は細菌自身の水分を砂糖に奪われて死んでしまうからであろう
昔は冷蔵庫がなく魚の保存はほとんどが塩蔵だあった 日本食は美味しいが塩分が多いのが欠点と言われているのも これが一因であった
今鮭はほとんどが生鮭で 昔の人の1人である私としては塩鮭の味は忘れられない