白内障(病院にて7)

目の手術をして 不思議な事は 眼帯を取り去ったあと 直ぐに よく見えていた事である これはよく考えると大変 特異な事である  大抵の手術は手術後 徐々に回復してゆく しばらくは数日 安静にして回復を待つのである これは 比較にならないと思うが 私が手の骨を折ったとときは 2ヶ月ぐらい手は使い物にならなかった 白内障の場合だって 最初 見えなくて だんだんぼんやりと見えて やがてはっきり見えてと言う過程を何日か かかってもいいと思うが 直ぐテレビや本なども見る事が出来る
ただ目に 手術した傷があるはずであるから そこか細菌など入らないようにする目薬と傷の回復を促す薬を日に何回かさすのである
左目の手術のときは 車椅子に乗らないで 手術室に行く 行程は右目のときと同様で やはり 名前と どちらの目を手術するのかを聞かれた  バックグランドの電子音楽は前のものと違ったものであったが こんどは奇妙な音の連続のようなものであった
手術を終わった後は やはり 車椅子で運ばれた 転んだりされると困るのと 点滴をしているからである 点滴は 病室に戻ってからも液が無くなるまで続いた 看護婦さんが何か頭が痛いと言うような事があれば直ぐ知らせてくださいといった 幸いそのような事は無かった