その時 勝負が動いた

 私はワールドカップに出るくらいのチームは 中田が 勝つべき試合を2度まで勝つことができなかったといっていたように それほどの差がないというのが持論だったが 日本のサッカーチームは1回も勝つことがなく 舞台から去ってしまった これはなぜなのか
好きで良く見ている番組に “その時歴史が動いた”というのがある その後の歴史のきっかけになった もっとも重大な通過点を指摘する番組である
この番組の真似をして 敗戦のきっかけになったのは いつであったであろうかを考えてみる 第一戦のオーストラリア戦 1−0で日本リードのまま終盤を迎えていた時 日本のゴール前で もみ合いのようになった この時 川口は ゴールから離れて前に飛び出してボールを奪おうとしたができなかった 間を縫って 敵のシュートはキーパーのいないゴールに向かって入っていった NHKの解説員である小島伸幸氏はいう “私はゴールキーパーであったので川口の心理が痛いほどよくわかります ボールを奪って遠くに飛ばせばもうこれで日本の勝ちと思ったのでしょう”
確かに遠くに飛ばせば パスが続き うまくゆけば敵陣での戦いに持ってゆける 敵陣でのシュートがなくても 時間が経過して 日本の勝ちとなった可能性が高い 
ジーコは オーストラリア戦がすべてであった といった その決定的瞬間を指摘したものだろう それだけ オーストラリア戦の負けは意味を持っていた 
以後 日本の選手は この敗戦をリセットできないままに 一つも勝つことができなかった
あるコメンテーターは 日本のサポーターは優しいので 3点も取られたとき ブーイングが起こらなかったが 逆に外国の選手に 同じことが起こっていたら ブーイングが起こっていたろう なるほど あの時 ブーイングが日本のサポーターから起こっていれば 選手たちは反って気分的に楽になり リセットできていたのかもしれない 勝負に必要なのは 悲壮感漂う”勝たねば”という心より“なにをくそ” という反発精神なのだと思う