コロナ禍2(雑感)

災い変じて福となす とは楽観的な言葉だと思うが コロナで苦しんでいる世の中がそうなればどんなにいいだろうなと思う 例えばコロナの収束が見えてきて人々が戦勝気分で経済もV字回復するなどである

話は変わるが現職の時渋谷から六本木に行くのにバスを利用していた その道の上には高速道路が作られているのを下から見ていて あまり景観的にはよくないなと思ってしまう これは私の記憶では東京オリンピックが近づいてきて東京も世界の有数都市の一つとしての体裁を整える必要があるとの要請で都民も賛成協力したことを覚えている これを今やるとするとおそらく反対の声があがってあんなにスムーズにはできなかったであろう 何かの大きなイベントとか災害は大きな工事やシステムの改革にはチャンスなのだ 関東大震災のあと後藤新平は復興計画として昭和通りをつくった 今行ってみるとさほどの広い通りとは見えないが当時は 日本は狭い国なのにこんなに広い通りが必要であろうかと言われたそうである

花の色は移りにけりな いたずらに わが身世に降る 長雨せしまに

ご存知の通り 百人一首で有名な小野小町の歌である この歌が今の日本と重なるように思える 花の色は Japan as number one 言われていたことの日本でSonyのウオークマンをはじめ Panasonic Toshiba の電化製品が世界的に売れて 有名になり日本の資本金はアメリカの不動産を買い占めるなどの黄金期があった 長雨とは バブル以後の失はれた20年と言われる時期で その間に輝きを失っていた 今度のコロナ禍でわかってきたのは日本の意外なデジタル化の遅れである 科学工業立国を旨としていた日本が一体どうしたことか 菅首相は早速デジタル省をつくることにした ハンコ行政からの脱却などコロナ禍を理由の一つにして変えようとしている これも災いを転じて福とする一つの事業であろう

私がデーケアやヘルパーさんに助けられて生活しているように日本の老化はその原因の最たるものであろうが おりしも日本のスパコン富岳が世界一になった 勢いが衰えたとはいえまだ世界第三の経済大国である 私は老人にこんなにも親切な国はそうざらにないと思って感謝している