録画を見る

アナログのときからこの番組はあとで見直すからとか 見たい番組が重なってしまったのでというわけでヴィデオテープに録画をしておくのだが これは気休めにすぎず 改めて録画を見ることはめったになかった 録画したものは無用の長物となって棚を占有している テレビがデジタルたるになった今 ぼやけたアナログ画面は見る気もなく もう永久に見ないだろう 
この経験から懲りたはずなのにデジタルになっても またブルーレーディスクを買ってきて気休めの録画を始めていた おいおい そんなに録画してもお前さんに見ている時間があるのかい と もう一人の批判的な私がしきりに言う
しかしながら 気が付くと かなりの量の録画済みのディスクがたまっていた さすがにこれではいかんと気が付いて 少しずつみることにした 一枚のディスクには約3時間の録画がある 面白そうなものを選んで視聴してみた しばらく見ていて暇つぶしのテレビをみているより ためになり 録画したことはあながち無用の事ではなかったと満足したが しかしじきに困ったことが起こった 見ているうちに睡魔に襲われることである たった1時間ぐらいの番組がどうしてみていられないんだと自分をしかりつけるが いつの間にか寝ているのである それも結論の最後の15分ぐらいの時が多い 仕方がないのでもう一度見直すことにする すると驚いたことには前より なるほどと よく理解できることに気が付いた これは幼児期の本の読み方を思い出した 子供は同じ本を何回か読みなおす 話の筋がわかっていても 読み返すとまた新しい面白さを発見する よく子供時代の記憶は残るなどと言われているが 子供の脳細胞はアクティブで極めて優秀なプリンターのようなものだろう しかしこれだけではなく 本の再読のような繰り返しにより記憶が固定するのだろう そんなことを理由にして途中で寝てしまっても自分を叱らないで再視聴することにした