人間とコンピューター

今14歳の少年棋士 藤井壮太の公式戦での29連勝が話題になっていて おかげでたいへんな将棋ブームが起こっているという 
若い羽生善治棋士が7冠をとりグランドスラムを成し遂げたときも 大騒ぎとなり その時も将棋ブームが起こった 7冠とは 名人 竜王 王位 棋王 王座 棋聖 王将のというタイトルのことである
在職中のとき羽生善治棋士が名人 竜王などのタイトルを並み居る強豪と言われる先輩たちを押しのけて打ち負かしてタイトルを取り始めていたころ S先生のコメントを今でも覚えている S先生は国語の先生であったが 体が弱く好きな理科系に行きたかったのだが 理科系には実験などで長期間体力を使うことがあるのであきらめたというだけはあって 理科的な思考をするのが好きな人であった
S先生は 要するに羽生の頭はコンピューターなのだよ これは今考えると明言だと思う
コンピューターは処理能力が極めて速く高く 正確で 記憶力も抜群で とても人間はかなわない
これまで 世の大学者と言われている人は万巻の書を読み経験を積み知識を得た だから大学者になるにはかなり時間を要するので年配の人が多くなる
しかし 将棋はゲームの1つであるから ルールを覚えれば 子供でも指せる 勝つためにはどうすればよいかのプロセスを考えれば良い 人間はいろいろなことを考えなければいけないが コンピューターは目的とする1のことを考えればよい 計算能力などはとうの昔 電卓という原始的な単純コンピュウターに負けていた
パソコンなどを選ぶとき スペック(speculation)を比較する 日本語で仕様と言っているもので その機械の構造や性能を示したものである スペックのよいパソコンは良いパソコンと言える
人間をコンピュウターに例えると若い人のスペックが中高年のスペックより優れているといえるのではないか 
これは体操や水泳の競技にも言えることで スペックの優れた若い人が参加することになる
S先生が話したときはまだ携帯もスマホもなく パソコンはある程度普及し始めたが まだものずきの嗜好品だったときである その時 羽生の頭はコンピュウターに近いといいのけた先生は慧眼だったと思えるのだ
S先生は私より7,8歳ほど若かったと思うが早く亡くなられた 今 時々思い出すのである