ハワイアンメロディー

ハワイアンメロディーの話が出たついでに 学校に在職中 大橋節夫と ハニー アイランダース の演奏を短大講堂で聞いたことがある 大橋節夫は慶応大学の出身で ウクレレや スティールギターにあこがれて ハワイアンバンド をつくったのだ
当時 学校はまだ固く 純音楽ならいいのだが 流行の音楽を講堂でやるのは少し違和感があった しかし 大橋節夫の妹さんが 学院の生徒であったことから 生徒の熱い要望もあり演奏となったのだろう 演奏の最後は ♪風にそよぐ美しきもの♪ 校歌 をハワイアンのメロディーで演奏した あの プウウーーン という スチールギターとは合わなと思われたが とてもきれいな演奏ででした
終戦間ないころ 私は渋谷松竹という映画館で 映画に加えて ベティー稲田とハワイアン音楽をやっているというので見に行った ベティー稲田は 日系2世で戦前から活躍していたのであるが 有名になったのは戦後だと思う
背景のハワイアン音楽を演奏していたのは ハワイアンの草分け的存在であったバッキー白片と アロハ ハワイアンズ であったと思う
アロハ オエ  小さな竹の橋で 月の夜は などの 歌をうたっていたときのこと 突然 ベティー稲田の使っているマイクが故障した 彼女の口がパクパクするだけで 声が聞こえない その頃の観客はマナーが悪く遠慮しないので “きこえねーぞ”と 大向うから声がかかる ベティーは困り果てて まるでガナリ立てるようにして歌う ちっとも上手くない やはりハワイアンのような繊細なメロディーはマイクを使って ささやくように歌うべきものであることを知らされる 今では考えられないハプニングであった