カキ氷(2)


子供のころ 冷蔵庫は電気を使わない氷の冷蔵庫であった 氷屋さんが毎朝は角柱状の氷を配達してくれた 冷蔵庫の上にある氷室には解けて小さくなった氷と新しい大きなものが入っている 小さくなった氷をカキ氷用のカンナにかけると我が家のカキ氷ができた
この装置は 当時何処の家でもあった鰹節削りと同じ装置で 鰹節削りを大きくしたようなものである シロップは我が家の場合あらかじめ容器に入れておき その上に氷を盛った 氷にかけてある布は 氷を動かすとき手が滑らないためと 手が冷たくなるのを防いでいる 夏には スイカに次いでおいしいものであったが 私は元来 頭痛持ちということもあり 他の兄弟より氷を食べたときに起こる頭痛が頻繁に起こった あわてないでゆっくり食べなさい と言われるが つい忘れて頭を抱えていた
我が家のカキ氷と お店の氷をぐるぐると回して氷を削る回転式の機械で作ったものを比べると お店のほうは氷片が細かで初雪のようにふんわりしていた 我が家のカキ氷は 雪片が荒くて 旧雪のようだ 機械が単純だから仕方ない でも 大変懐かしい思い出である