夜咲く花

夜咲く花で有名なのは 月下美人 大輪の美しい花が夏の夜にさく
夜咲く花は ナイトクラブやキャバレーで働く女性に付けられた名でもある
林芙美子の自伝的小説 放浪記を 森光子が演じて 公演回数2000回に達した事が報じられていた この中で 主人公の ふみこ がカフエの女給になって現れる そのころのカフエの女給さんは 森光子が演じているように 着物にエプロンをつけた格好でサービスをしていた そのころ 私はまだ子供で 勿論知らないが “女給の歌” という流行歌があって 自然に覚えてしまった 
“わたしゃ 夜咲く 酒場の花よ    赤い口紅 金紗の袂  ネオンライトで浮かれて踊り  さめて寂しい涙花”
(略)
“女給商売さらりとやめて  かわいこの子と二人の暮らし  抱いて寝かして 母さんさんらしく せめて一夜を子守唄”
羽衣歌子という歌手が歌っている 音楽学校を出た声楽家であるが あまり知っている人も少ないであろうと思う
最後の章は ズットあとからできた歌 金田たつえ の 花街の母 の ”たとえ一間の 部屋でよい 母と娘の暮らしがしたい“ と似ている
夜の蝶 という名もある 同名の 映画が 昔あった たしか 山本富士子 と 京マチ子 の競演で 銀座のナイトクラブの有名なママ同士の激しい争いを取り扱ったものであった