野尻湖に着く

バスは野尻湖へ着いた 丸三桟橋と言うところから 船に乗り キャンプサイトへ 
昭和26年はじめて野尻に来たときの事を思い出していた そのときの船は 掩蓋のないポンポン蒸気船だった 乗ったときの開放感は 今の遊覧船と比較にならないくらい大きかった

 昔 桟橋の右手に 小松や と言う老舗らしい旅館があった 今は桟橋はまったく様子が違うので 位置も違うところなのであろう 小松や はどうなったのであろうか
 船が動き出した 湖の真ん中に 枇杷島と言う小さな島がある 弁天様の鳥居は変わりなかった また 樅が崎 竜宮の鼻 などの小さな岬が次々とあらわれる 懐かしい記憶がよみがえる
 見えてきた菅川扇状地 昔 生徒とカッターに乗ったとき この上ない扇状地の活きた教材で 説明をしたおぼえがある ”谷を流れ下ったとき 長い長い年月を経て 土砂がたまり あのような扇形の土地が生まれたのです”云々