懐かしの味4

kutuzawa2006-06-20

目黒の家にいたとき もりそばは蕎麦屋に行くのではなく 主に 家に 取り寄せて食べていたと思う 近所に えびす庵 という蕎麦屋があった 目黒なのになぜ えびす庵 なのかというと 近所にエビスビールの工場があったためである この蕎麦屋の息子が小学校の同級生であった お祭りの時 子供相撲大会があり 行事を勤めているのは この蕎麦屋の親父で 勝つた少年に 軍配をかざして ××くーん と 大きな声で表彰した やがて蕎麦屋の息子の番になり 息子が勝った 当時は息子のことを豚児などと謙遜して言う時代だった おおピッらに表彰するかどうかと見ていると 丸山くーん と すこし照れながら 大きな声で表彰した 皆がどっと笑ったのをおぼえている
えびす庵の 蕎麦は やぶ蕎麦であった 当時 やぶ蕎麦というと 緑色をしていた つまり竹薮の色をしていた 自然の色は灰色がかった茶であるから 人工着色したものであろう 戦後 人工着色は体に悪いということで 緑色のそばを出す蕎麦屋がなくなってしまった  しかし 最近スーパーで茶蕎麦という乾麺を見つけた ゆでて食べてみると 薄い緑色をしているが 茶蕎麦だから茶の味がする あの えびす庵 の蕎麦とは違ったものであった
現代の蕎麦やに 入って もりそばを食べてみる ネギが付いているのは 昔と同じであるがワサビが付いていたかどうかはおぼえていない