エレベーター

普段 話題に上らないエレベーターが話題になっている 事故を起こしたエレベーターのメーカー シンドラー社の謝罪が日本の謝り方と違うということで又問題になっている 日本ではとにかく事故を起こしたのだから とにかくすぐ平謝りに謝るのだが 訴訟社会の欧米では 裁判により 是非をきめる だから 裁判に不利なことを先走って言わないのだ
40代のころであるから ずいぶん昔になるのだが パリのサントノレ通りにある ホテルに泊まったことがある サントノレ通りといえば 有名で かなり高級な場所であり 通りに出ると 凱旋門が斜めになって遠くに見えていた ホテルは4つ星の高級ホテルであったと思う エレベーターを使って 自分の部屋に行くのであるが そのエレベーターが驚くべきものであった なんと 外扉だけで 内扉がなかったのだ 箱が上昇を始めると 入口の扉や壁が下に動くのである かなりゆっくりとした 動きとはいえ 扉を開いたまま 走っている電車みたいで 極めて 危ない感じがした さすがに壁はコンクリートのままでなく きれいにタイル張りにはなっていたが そのタイルにうっかりもたれたりしたら たいへん危険な状態である 日本で このようなエレベーター工事現場ならいざ知らず 見たことがない
おそらく どこかに “動いている壁には触れないでください” などと注意書きがあるのであろう 客が怪我をした時に ちゃんと警告してあるのだからと 裁判を有利に進めることができる 欧米では安全は自己責任なのだと思う このことから考えると日本のように2重3重の安全装置を省略しても事故の時は 裁判で解決すればいいという考えなのかとも思う