うまみ率2

テレビをぼんやりと見ていたら 奥様 禁断の領域に潜入とか言う題で 主婦たちが新宿のホストクラブに行きそこで ホストクラブでの体験をするという番組であった 店のナンバーワンのホストの誕生会だそうで ピラミッド形に積まれた ワイングラスがあり その一番上から シャンパンを注ぐ シャンパンは見る見るうちにいっぱいになり 1段目からこぼれたシャンパンが 2段目の列のグラスを満たす これもいっぱいになると 3段 4段 と進んでゆく
驚いたのは そのシャンパンの値段だ 100万円という このべらぼうに高いシャンパンは グラスだけに注がれればいいが グラスとグラスの間にもこぼれ かなりの部分が無駄に流れているようであった 何たる浪費と思ってみていた 
このシャンパンは果たして100万円に相当するだけうまければ うまみ率は そんなに低くはないだろう 
しかし1万円のシャンパン(これだって とても高価だと思う)があって これと同じうまみ率を出すためには 100倍うまくなくてはいけない 人間の舌はそれほどいい感度を持っていない 料理のとき いい加減に砂糖やしょうゆを入れても それほど響いてこないことはよく経験することである
100倍のうまさなど到底感じられないだろう おそらく100万円のシャンペンで感じるのは1万円の2 3倍といったところではなかろうか たとえ10倍感じたとしても その うまみ率は 1万円のものの十分の一とひくいものである
このようなヴィンテージ シャンパンなどを飲むのは 味というより ほかの要素があるためだと思われる
もう一つ感じたことがある 昔 紀伊国屋文左衛門などの御大尽といわれた人が 遊郭などで行っていた とんでもない浪費を 今 女性がホストクラブでやっている 世の中は変わったのだ