交流を使うわけ 地磁気

YHさんから 前日のコメントで なぜ 地磁気研究所のそばを通る電車は交流を使うのか また地磁気とは何かの質問がありました 私の知識は古いのかもしれませんが それなりに答えを考えてみました
強力な磁石に釘を近づけると 釘が磁石になってしまうことを実験した事があると思います これを帯磁といいます 地磁気は微妙な磁気なので 周囲に帯磁したものがあるとこれを一緒に測ってしまい都合が悪いのです つまり直流は帯磁しやすく 交流はしにくいのです なぜか 直流モーターはコイル(電線をぐるぐる巻いたもの)に直流電流を流した電磁石を使います 直流の流れた電磁石はできるS Nが固定されているので 周囲に鉄製品(たとえばレール)などが帯磁しやすい
ところが交流は電流の方向が激しくかわる(1秒間に50回)ので SN となったつぎの瞬間 NSとなります このようにSN NS SN NS となり 帯磁 逆帯磁を繰り返して 帯磁しにくいのです つまり帯磁している暇がないと言って良いでしょう
私はいったん帯磁により磁石になった釘を 交流を流したコイルの中を通して消磁したことがあります
さて 地磁気ですが 地球の磁気のことで ご存知の通り 地球全体が大きな磁石と考えられています 北極付近はS極 南極付近はN極になっています 方位計のNが北を向くのは北極にある地磁気のS極にひかれるためです
しかしなぜ地球が磁石なのかと言うことについては いまだに定説がありません 地球内部にある どろどろ に溶けた鉄が電流を通すので 流れた電流が地磁気を構成している
だから 宇宙の探査機が ある天体に達したとき 測定により その天体が 磁気を持っているなら 天体の内部にどろどろ解けた金属などがあり その天体が冷え切った天体でない などのことがわかります
地磁気は内部の状態の変化で変わるし また外部の条件によっても変わります 太陽から太陽風と称する 電子 や 陽子などの粒子が降り注いでいます(オーロラの原因) これらの粒子が地球を取り巻いて運動することにより電流を生じ これが地磁気に影響を与えます 地磁気を研究することで太陽活動のこともわかるのです