東横線(2)


戦後 渋谷の 八幡通り に引っ越してきて 並木橋の陸橋からこの陸橋と平行して100メートルほど先に 東横線省線(JR)をまたいでいた鉄橋を走るのがよく見えた もうこの景色は見ることができない
ある日の夕方 並木橋から 赤黒い満月がかかっているのを見た なんて不気味な不思議な色だろう なにかの空気中の浮遊物がこの色の原因だろうと思っていたら 後から その日は月食であったことを知った 月食は地球の縁にある大気を通ってきた太陽光(つまり夕焼けを起こす光)が月に当たるので赤っぽく見えるのだ
写真は もう使われなくなった東横線渋谷駅 ほとんど覆いがしてあり見ることができなかったが一箇所だけが開いていた 皆が写真を撮っているので私も撮ってみたが 建設機械がすでに置いてあり肝心のプラットホームが見えない わずかに つるされた時計が駅の名残を残していた