坂の上の雲

まことに小さな国が 開化期を迎えようとしていた で始まる 坂の上の雲 が昨年の12月についに終わった 12月だけの特別シリーズであったが それは3年の長さになっていた ここ計画を聞いたとき 私と同年の知人は 全部見るためには それまで生きていなければね と言っていたのを思い出す 今年の年賀状には お互いに 坂の上の雲 を全部見ることができましたね とあり それが何とか健康であったことの祝賀であった
坂の上の雲 は 日清 日露の戦争での日本が 血の出るような努力の末 戦いに勝つことができた その損害も膨大であったが これは奇跡的であった この戦争で 東洋の一小国が大国ロシアを破ったことから 世界に黄色人種も 白色人種と同等の能力を持っていることをはじめて知らしたのである
坂の上の雲 の終わりは 戦勝ムードで終わっていなかった というのは この戦勝こそ その後の日本の未来が大東亜戦争にまで発展する引き金になっていたからである
さかのぼり日本史というNHKの番組で 軍事力 財力 資源保有力 にすべて優っていたアメリカにどうして日本が宣戦布告をしたのか 冷静に判断すれば その結果は火を見るより明らかであった しかし 日本はこの悲惨な結果を招く戦争にあえて踏み切った それは大東亜戦争時代の指導的な 軍人 政治家 官僚たちが皆 少年時代に日露戦争の戦勝を経験していた ニッポン カッタ ニッポン カッタ ロシャ マケタ という歌は私の耳にも残っている 不可能と思われていた 大国ロシアに勝ったのである あの時 不可能を可能にしたじゃないですか 日本はまた不可能を可能に出来ると神話的に信じてしまったのであった