春の懇親会(9)


しばらくしてから この宿の主人が挨拶に現れた そしてプロの幇間さんの出てくる前の前座として 小咄や2,3の軽口を述べた アマチュアなのであろうが なかなかの話術であった このようなことが好きな人なのでこのような料理屋を始めたのであろう

次にプロの幇間さん さすがはプロ 話術がうまい 幇間とは 幇は助ける 何を助けるかと言うと 宴席の客と芸者の間 または客と客との間を取り持って 面白おかしくスムーズに宴会を盛り上げるのである 太鼓持ちともいわれていて落語によくでてくる 落語の太鼓持ちは 一八 この幇間は 桜川米七  幇間は桜川を名のるものが多い むかし 桜川ぴんすけ 美代鶴 という漫才師がいたが 想像するに これは幇間と芸者のカップルであろう
漱石の坊ちゃんには 坊ちゃんが 教頭は 赤シャツ 図画の教師は 野太鼓 とあだ名をつけている 野太鼓とは素人の太鼓持ちで 周囲に 始終 おべんちゃら をいっているのでそういったのだろう