ホトトギス(鳥2)

ホトトギスは 同じ仲間のカッコウもそうだが 托卵という習性がある 雛を育てる巣を持たず 自分の卵を他の鳥の巣にそっと忍び込ませる ホトトギスの卵は 他の鳥の卵と一緒に温めてもらい やがて雛が孵るが ホトトギスの雛は 他の鳥の雛を蹴落として自分ひとりになる 他の鳥の親はせっせとホトトギスの雛に餌を与える ホトトギスは 子育てと言う最も大変な仕事を他の鳥にやってもらうのである なんという厚かましい鳥なのであろうと思う しかし鳥の研究者に寄れば 一種の寄生で 自然界には寄生は珍しいことではないという 
山本有三の小説に “波” がある 主人公の妻が他の男性と関係する そして男の子が生まれるが 妻はまもなく そのお産で 死んでしまう 主人公と男の子が残されるが 主人公は 男の子を育てているとき この子は 自分の子? 他の男性の子? といつも悩む 私は もしかして ホトトギスの子を育てているのではないか? 男の子と自分の顔を比較して やはり似ているなどと言い 強いて自分を納得させる 今ならDNAを比較すれば分かることである 
よく言われる 何十人もいた女性と秀吉との間に1人の子もなく 淀君との間にだけ秀頼が生まれる ある歴史家は 秀頼は秀吉の子ではないという では ホトトギスは誰であったのだろう