白内障(病院にて5)

目のレンズに当たる水晶体は レンズ状の袋にゼリー状の物質は詰まっているもので そのゼリー状の物質がにごって 網膜に光が届きにくくなる これが白内障で 手術というのは 袋の前の方(前嚢)に穴を開けて にごったゼリー状の物質をかきだして 袋を空にした後 その穴から人工のレンズを入れ込む なんだか すごく機械的な手術だ


手術する右目は瞬きがないように 強制的に開けられていた 目に何回となくなく液体が注がれるのを感じた なんともいえないような電子音楽のようなものが バックグランドで奏でられている おそらく患者の心を和ますのが目的なのであろう?
眼前に日本数字の ニ という字に似た赤い光線の像が見えている もちろん なんだかわからない そのうち この ニ が ぐしゃぐしゃに壊れるのが見えた おそらく このとき 水晶体の袋の中のゼリー状の物質にコアのようなものがあり これを超音波で破壊しながら ゼリー状の物質を掻きだしている過程なのであろう
しばらく 何らかの操作がされて 再び ニ の字が見えてきた 人口のレンズが着装されたのだと想像した この間 不安と恐れがあったが 痛みはなかった
大きな眼帯で目が覆われて 眼帯をいくつものバンデ-―ジで固定する 手足や胸から測定器がはずされた 手術が終わったのだ 手術台に寝かされてから 感じでは 20分ぐらいの時間である