サイダー(2)

昨年の事と思う 三ツ矢サイダーのコマーシャルが流れていた 『宮沢賢治の1番の贅沢は天ぷらそばを食べながら 三ツ矢サイダーを飲むことだった』 宮沢賢治はお酒やビールの代わりサイダーを飲んでいたのだろうか このことは私には大変印象的であった と言うのは 子供のころ 最も好きな食べ物の3点セットが とんかつ お赤飯 サイダーであった 誕生日などには この3点セットでお祝いをするのが 我が家の慣わしであったが 戦争で食事情が厳しくなり できなくなった 
女学院の男子の先生方も世のサラリーマンと同様に 時々 帰りに バー や レストラン 縄のれん などに立ち寄る事があった 私もよく誘われてご一緒した アルコールが弱いのであるが 雰囲気が好きであった ある日 渋谷のバーでの事 体育のS先生 美術のM先生 国語のT先生 それにnearbridge 先生 などなど がいたと思われるが ビール 水割り などを飲みながら 歓談していた 私を除けば皆 お酒が強かった 私は 何で彼らに対抗したかと言うと サイダーである 歓談が長くなり サイダーの瓶も何本か開けられた S先生があきれて よくあんな甘い飲み物で 酒の肴が食べられますねと言った S先生はよっぽど驚いたらしく Kutuzawaさんが 5本のサイダーを飲み干したと 語り草にしていた しかし これはS先生が大げさに覚えていたもので 実際に飲んだのは4本だったと思っている