お笑い

お笑い芸人のたいへんな事は 同じジョークを何回も使えない事である とびっきりのジョークを考えて一次的に人気を博するも やがて飽きられてしまう このように時代が経てば ジョークは出尽くして やがて枯渇するように思える 昔の笑いだけを目的にした劇映画が衰退したのはこのことを物語っていると思う
昔はアチャラカといわれた映画が全盛のときもあった 古すぎて申し訳ないが エノケン エンタツ アチャコの映画 はこれに当たる 新しいところで 三等重役 などもある 今でも 釣り馬鹿日誌 があるではないかといわれるかもしれないが このような筋のある お笑いは少ないといえる 仕組まれた笑いが どれも どこかで使った事のある古いもので 皆が笑わなくなってしまったのだと思う だいぶ前に テレビに 昔のお笑い映画の一場面が出ていた 田舎者が都会に出てきてビルに入る時 回転ドアーがあり 彼はいつまでも回転ドアーの動きについてゆき入れない 今どき こんなジョークで笑う人はほとんどいないと思う 
このようなお笑い劇映画 テレビに変って出てきたのが 雑談形式の笑いである 友達同士で話していると よく笑いが出てくる この形式をとったのであろう 筋書きがなく アドリブ オンリーで 自然に笑わす方式である しかしこの形式は やかましく 複数の人の声が重なり テンポが速くて 老人にはわかりにくく 同窓会で会った私と同時代の老人たちは 口々に どこが面白いのか さっぱりわからん との批評であった