山吹

いつも公園に咲いている花の話しで 痛み入るが 今 山吹が咲いている この山吹は 一重と 八重と両方が 植わっている 両方とも咲いていることを見ると 桜みたいに八重桜のほうが 遅れて咲くようなことは無く 開花時が同じであることがわかる 色は見事な黄色で  よく 山吹色の小判などと言うように 黄金色といっても良い 悪代官が菓子折りの底に敷いた山吹色の物を見つけて “越後屋 お前も 悪よ のー” というシーンを思い出す
大田道灌が雨に会い 民家にはいり 蓑を貸してくれるように頼むと 少女が山吹を差し出した 道灌は同感せず そんなものは いらんとばかり かんかん になってかえると あとからそれは “七重八重 花は咲けども山吹の 実の(蓑)一つ だに 無き ぞ 悲しき ” という意味だったと知り 大いに恥じたという話は どうも後から造った話のような気がする 蓑を貸してくださいというと 山吹を差し出されたら 大方の人は この娘はおかしいのではないかと感じると 思うからである
 八重咲きの山吹
 一重の山吹