消える文字

これも公園内の事柄であるが 注意を促している看板がある ところが 文字の一部が消えていて 意味がわかりにくくなっている  消えた文字がうっすらと残っていることが多いのに これは まったく消えている 何とか判読すれば 読めないことも無いが 看板の生命は わかりやすい文章または絵で 意味を確実に伝えることである この目的からすれば これは駄目看板である 
なぜこのようになったのか 消えたところは おそらく赤で書いたあったものだろう 最初鮮やかな色のカーテンが 長い間に日光に照らされて 色がぼけてくるのは よく経験することである このように色素や顔料は日光に弱い これは色素が化合物であり 光のエネルギーによってじわじわと 分解してしまうためである
黒は なぜ分解しないのか カーボンブラック(油煙などのすすからつくる)から作っているので 炭素そのものである 炭素は単体であり 分解の仕様が無い 変化させるには燃やして二酸化炭素にすればいいのだが 燃やすほどのエネルギーは光線だけでは得られない この炭素の優れた性質は 墨で書いた古文書が変化せず残り 平城宮跡から出てきた木簡に書かれた文字が残り 貴重の資料となっている