新型爆弾

原爆が投下されたときの新聞報道は 新型爆弾が投下されたというものだった 新聞はこれが原子爆弾だったことがわからなかったのか? わかっていても軍部の方で規制していたのか? 今までの空襲はB29の大編隊が来て爆弾 焼夷弾を雨 あられ とばかり落としていた だから1機のB29エノラゲイ が飛んできてもあまり気にかけなかったのだろう これが被害を大きくしたと思う 新聞はそれ以来たった1機できても 必ず防空壕に入るようにと指示した
新型爆弾とは何だろう 光に当たるだけで死にいたるという
これは大変面倒なことになったと思った 家庭にある防空壕は庭に あな を掘っただけのもので じめじめしてとても 居心地がよくない 1,2機きただけで入るのは たまったものではない
空襲を知らせるのに 近所に恵比寿ビールの工場があり まずこのサイレンがウウー ウウー と断続的に鳴る ラジオをつけてみる 『東部軍管区発表 敵数十機 御前崎方面より侵入 ・・・』この報道を聞いて敵機の数が少ないときは あまりにも面倒なので防空壕に入るのをサボっていた 新型爆弾ではそうはいかない 警報が出ると防空壕に入ることにした
新型爆弾はピカドンなどとも呼ばれていたが これが原子爆弾だと発表されたのは 敗戦直後だったと思う