世界世論

1933年(昭和8年) 日本の全権大使 松岡洋右(ようすけ)は国際連盟の会場で流暢な英語で 国際連盟からの脱退宣言して席を発った 国際連盟の調査団が出した結論は満州国の設立を認めないというものであった 認めることに賛成したのは日本だけ 他の国々は全部がNOであった 日本の軍部は強硬に 満州は日本の生命線という強い意志をもって建設したものであって 軍が撤退することは考えられなかった 松岡の連盟脱退は仕方がなかったのであろう つまり日本は世界の世論に背を向けたのであった
しかし後から考えると 結果論であるが あの時 日本が世界の意思を素直に聞いていたら 日中戦争は終息し 戦争が太平洋戦争まで発展することもなかったろう そして日本の敗戦もなかったろう
今 中国が南沙諸島に基地を建設中であるが ヘーグの国際裁判所は あれは国際的に違反であるといっている 中国は一向に聞く耳を持たない つまり国際世論を敵に回しているのである 無理が通れば道理 引っこむ ということわざがあるが A.S.E.A.N.の国々も中国との経済関係を考えて批判がまちまちである
世界世論を敵に回して 戦争にならないとしても そして将来 中国の意見が通ったとしても ずるいことをしたと国という汚名は歴史に残るであろう