muffled drum

旧制の中学時代習っていた英語は純粋の英国英語だった その時 ロングフェロー の詩の一節がでていた 
それは 人は覆われた太鼓を持っている その太鼓は鼓笛隊の進軍太鼓でドンドンと打ち鳴らしながら ある方向かって絶えず進軍を続けている そのある方向とは墓場である 
覆われた つまり音を小さくした太鼓とは 心臓の鼓動で 私の考えを加えると音を殺した笛もあり それは呼吸である
明治維新の鼓笛隊ならピーヒャラドンドン ピーヒャラドンドンと錦の御旗を掲げた官軍の前進を思い浮かべるのであるが これは体の中の鼓笛隊 向かってゆく方向はただ1つ 私の鼓笛隊はもう90年近く頑張ってくれている さぞかし疲れたであろう でも ゴールは近い もうすぐ休めると思う
参考にロングフェローの原文の1節を載せると
Art is long and Time is fleeting,
And our hearts, though stout and brave,
Still, like muffled drums, are beating
Funeral marches to the grave.
心臓の鼓動は 葬式行進曲のドラム この哲学的な詩は当時の若かった私にもインパクトを与えて 長い間忘れがたいものであったが 今 人生の終焉を迎えようとするときに さらに強く思い出させるものである