廃れて行く知識

世の中があまりにも速く変わりすぎるので 老人たちが付いてゆけない話を前にしたが かく言う私も その速さを如実に経験している1人である 
パソコンが今のように普及する前から マイコンと呼ばれていた原始的なコンピューターがあった 今で言うアプリなどの プログラムは入っていないので自分がプログラマーになってアプリをつくり使用する それには かなり専門的な知識が必要であった だからマイコンはマニア的人が使っていたといってよいだろう 
プログラムに使う言語は機械語 機械語を分かりやすくした アセンブラーと言う言語があった 8ビット (現在のウィンドウズは32ビット 64ビット)の機械で 一般に使うときは ベーシックいう言語で比較的易しくプログラムを組むことが出来た
Nearbrige氏に教わりながら 私はアセンブラーとベーシックを何とか使用することが出来るようになった
ところが 素人がプログラムする時代は終わり アプリは すでにパソコンのなかにあり これを操作するだけの時代に変わってきた これは実にエポックメーキングな変化であった
今まで粒粒辛苦して学習してきたアセンブラーなどの知識は不用になった 私は大変がっかりして 今までの苦心は何だったのだろうと思い こんなに変化するものを学習するのは知識のロスがあまりにも多いので もう少し安定するまで パソコンを止めて 安定していて 習ったものが無駄にならならず 累積したものが役立つ たとえば 語学などを学習することにしますと Nearbrige氏に告げた
Nearbrige氏は悲しそうな顔をした(そのように私には見えた)が そのことについては何も言わなかった 今まで一緒にやってきたのに裏切るみたいで大変気になって 悩みもしたが かくして その後3,4年ほどコンピューターと無縁な生活が続くことになる