近所のご隠居

落語で 八さん 熊さん が相談に訪れるのは近所の物知りのご隠居のところであった この近所の老人であるご隠居は 庶民の中の偉大なインテリであった
中国にも 竹林の七賢人 とか 寒山 拾得 などの賢人がいて 掛け軸の絵によく描かれている みな老人の姿に描かれている まだある 鉄腕アトムの生みの親 御茶ノ水博士は老人である 
むかしは賢者と言うと老人のイメージであった なぜなのだろう それは 昔は世の中の進歩が遅かったということであろう 老人は子供のころから老人になるまで多くの知識を蓄積してきた 世の中の進歩が遅い場合 幼少のころ 若いときに身につけた知識が そのまま現代に適応できる しかも 判断力は年齢とともに増加するといわれている 町の老人たちは 皆の尊敬する相談役であった
ところが 今 昔に実につけた知識のかなりの部分が現代では役に立たなくなっている しかも 現代の必要と思える知識が欠けている 社会が速く変わりすぎているためだ 若いときと違った次元に住んでいる老人たちは適応が出来ず 賢者どころか弱者のように扱われている事がたびたびである でも
『 アー バーちゃんの言う通り アー バーちゃんには敵わない 』 というCMが時々出てくる これは 忘れ去られようとしている昔の知識には 多くの役立つ情報があり それを知っている老人は尊敬に値するということを表現している よいCMだと思う